どのようなカタチであれ、自分が商売を行なって行くための気構えについては、ついこの間までのサラリーマン時代のように、ある程度の成果があれば自動的に給与が振り込まれるような気楽な仕事から、極端に言うと火中の栗拾いまで行なわないと仕事が得られないという切羽詰った状態に自分から身を置くことであると考えていいます。確かに、18年間に渡り社会人として培って来た経験は営業ではなく専門的な事務分野(経理・総務)であったので、営業感覚が研ぎ澄まされているわけではありません。

外回りをガンガンに行い仕事を多く取ることが、経験上だけではなく性格上でもできないのですが、これは社会人第一歩を踏み出す前に解っていたので営業が第一線である証券界でも、敢えて面接の時点で裏方を希望しました。人と喋る事が不得手な分、専門的な知識を会得することが自己研鑽に繋がるという思いから、ワープロからはじまりPCまで業務知識を増やして行きました。自己流ということもあり、専門学校などを出てコンピューター関係会社の第一線で活躍している輩には、太刀打ちは現状では無理と思います。それは、いままでは限られた領域の中で、自分の得ていた知識を小出しに上手く転がしていただけであったからです。

 

しかし、この中途半端な発展途上の状態を脱却するためには自身がもっとスキルを増やして行かなくてはなりません。スキルを増やすには学校に通うことが手っ取り早いのですが、別の学校に通うことも決まっていること、扶養すべき家族がいることなどから、当初は友人からの誘いでIT関係の会社にフルタイムの契約社員として勤めようとも考えておりました。


 2年間という夜学生活を控え、残業もできないようでは友人に迷惑がかかるのは必定です。学校に通い資格を取る事が先決でしたので、ある程度時間的に自由がきくような仕事をと考え、現在は薄給ながら臨時職員を探している状態です。その傍ら、ホームページ制作もビジネスとして考えたことも、臨時職員だけだと生活が成り立たないためです。

 

制作の対象のメインを○○に決めたのも、そちら系の会社に3年勤め、人よりは多少詳しかったからだけです。そしてホームページの普及率が他の産業から比べ著しく少ない(全体の5~8%程度と言われています)ので、競争率も少ないだろうという安易な考えからでした。つまり「ホームページを作って、作る前と比べて何パーセント来訪数が増えたのか」という統計は全く考えていませんでした。

 しかし、会社を10日に退職後(実際は15日付ですが)し、ある方から電話でチラシ制作から入りいろいろと案を考えていくに従って、自身の考え方に変化が現れてきました。自分が良いデザインであってもクライアント様が求めていることが違う。ではどうすれば良いデザインになるか、聞くしかありません。夜に電話で打ち合わせしてから、沸いたイメージは性格的に翌日に持ち越すこと嫌なので、結果的に“夜鍋状態”。でも翌日に喜んでもらえると、もっと喜んでもらいたいと思うようになりました。私としては雑な仕事はできません。

薄利多売?これで儲けている業者もありますが、やるからにはクライアント様が喜んでもらえるような制作全般に手を染めたいと考えるようになりました。ホームページ制作を通して自分PCスキルを上げようとも考えています。いままでは動画やフラッシュなどの特殊技術は必要ないと考えてきましたが、今後はスキルを上げるためには必要になるものです。ここ数年間でWEBデザインから画像関係のデザイン技術をマスターして、ホームページだけではなく、企業ロゴやPOPなどのデザインにも手を出せていければ良いと考えています。ホームページ制作だけでは、将来的に頭打ちになってしまいますので。


 制作費用についても、他の会社などを見て検討し、当初は15万円を基準として始めようと思っていましたが、もし自分が開業してアウトソーシングとしてホームページの作成を業者に頼むとしたら、月間目標が50万円の中で支出が30%を越える金額では頼まないと思いました。そこで初期投資費用を10万円に下げるとともに、月間のランニングコストも下げました。この根底にはクライアント様が喜んでくれれば良いという奉仕的な気持ちと、安く丁寧に仕上げることで、客が客を呼ぶのを期待するということからです。元来営業が苦手な自分としては、こういった手法しかないのではと思っています。

2000年8月